続編もまた凄い

ロメロ監督の快進撃、『死霊のえじき』

ロメロ監督の名を瞬く間に知らしめたゾンビにより、ゾンビ映画の第一人者となった彼はその後もゾンビ映画を作り続けます。普通なら他にも違う作品を作るのではないかと思うのですが、つくり手としてそれだけゾンビを愛しているということなのでしょうか。ただホラー映画監督という肩書に縛られないようにと様々な作品制作にも関わっていたという。ただその殆どがヒットせず、新規開拓には至らなかったというから、それはそれで悲しい話だ。

ただゾンビ映画を作ることだけは特化していたのか、ヒットしたゾンビに続くゾンビ作品として『死霊のえじき』についても存じ上げている人は多いと思います。こちらも文明そのものが既に崩壊したも同然の状態となっており、生存者も僅か存在しなかった。そんな作品の中で主人公はゾンビたちを研究し、状況打開を目指す科学者という役割だ。主人公の周囲には軍関係者がいるものの、サラたち科学者とは折り合いも悪いために、軋轢を生まれる問題を抱えています。

けれど問題にこそなっていましたが、衝突するまでには至っておらず、それでも破棄された地上で暮らすよりも安全な地下基地での生活でまともに人間らしく暮らしていた。しかしその均衡を崩す出来事が起こります。それは主人公の仲間である科学者がゾンビを飼いならそうと言い出したのです。

全ての崩壊、絶望の始まり

地上の状況は悪化し、もはや一刻の猶予も許さない中で成果を求める軍人たちと主人公たち科学者との間には協力しようという意思が皆無だったのです。基地施設は軍の管理下にあるため、彼らに逆らえばまともに研究をすることすらできなくなってしまう。また状況を打開する方法を模索する必要性から、ゾンビの一人に生前の思考と感情を取り戻させることを主人公の同僚が成功させていた。当初は飼いならすなどと不可能だと言われていたが、これ以上他に手段はないとして了承する。ただこれが更なる状況悪化を招いてしまうのだった。

それは、科学者がゾンビとの対話を望むためにこれまで死んでいった兵士たちを餌にしてゾンビに与えていたのです。事実を知った軍責任者が激怒し科学者を殺害し、主人公たちを人質にとってヘリコプターから脱出するために操縦士を脅したのだ。

同時にサラと知己の知り合いだった兵士の一人が精神状態も追い詰められている中で、ゾンビに噛みつかれてしまう事態が起こってしまう。これをきっかけにして腕を失ったために全てに絶望してしまい、基地施設の隔壁並びにエレベーターを開放して地上のゾンビたちを基地内部へと誘導してしまうのだった。全て壊れてしまえばいい、そう言いつつゾンビたちに捕食された兵士をきっかけにして物語終盤にして真の恐怖が始まりを告げるのです。

今では絶対に表現できない

そこからもう阿鼻叫喚と言える状況だ、身体を引き裂かれて死亡する、生きたまま捕食されて内蔵をえぐり出されるなど、残虐シーンがてんこ盛りだ。今のご時世ではまず表現することの出来ないグロテスクな描写は、やはり時代の賜物ともいうべき表現かもしれません。見る人にすればかなりショッキングなシーンが連続していく中で、基地責任者は自身が脱出する前に起こった不測の事態に部下を全て犠牲にして逃げ出します。

彼を慕い、あるいは取り行っていた人間全てが捕食されていく中で施設内の宿舎に立て篭もろうとしましたが、彼を許さないという一人の存在がいたのです。

ゾンビによる復讐

このまま立て篭もろうとした責任者の前に立ちふさがったのは他でもない、科学者によって感情などを取り戻していたゾンビだったのです。彼は科学者に対して恩義を感じ、こんな姿になりながらも自分と接していた人を殺した相手に復讐するため、立ちふさがったのだ。ただ彼はゾンビとしての捕食は行わず、満身創痍となる状態にまで追い込んだ後は、宿舎へと雪崩れ込んできたゾンビたちによってその肉体を蹂躙させることで復讐を果たすのだった。

その頃主人公たちは騒ぎに乗じて脱出を図り、安全だった基地に渦巻くゾンビたちの魔の手から無事逃げおおせる事に成功する。ゾンビに比べるとまだ希望はありますが、状況打開と言えるような状況ではないので暗雲立ち込めたままなのが否めない。

こぼれ話として

ゾンビの正当な続編、という言い方は正しくないかもしれませんが次代の作品として騒がれたのがこの死霊のえじきになる。裏話もありますが、ゾンビのようにバッドエンディングというわけではなく、撮影用に使用していた豚の内臓についてだ。当たり前ですが人間の内臓など代用できるわけではないので撮影用にあった物を使用していましたが、保存の際に電源の問題があってか腐っていたという。

他のものをあてがう余裕もなかったため、そのまま使用したそうだが、カメラこそ回っている時には何事もなく役者は演じていたという。ところがカットと言葉が出てくるや否や、全員が餌付いて手団扇で臭気を払ったりと、相当ダメージはあったという。よもやま話としては十分なネタと言えますが、役者魂となるとある意味極限状態をも耐えぬく根性が必要になる、という話に直結するのも中々味のある展開だ

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