ストーリー的に

かいつまんで見ていくと

面白くないと感じた人もいるなら見る必要はないのではと思う人もいるかもしれません。それ以前に韓国人が作った映画だから余計に見たくないと、作品以前の問題を提起する人が出てきたら、それ以上は何も言えない。人種的な問題は作品を視聴する上で関係ないと思っているのは筆者個人の意見であるため、嫌だという人に強制したところで何も意味はなさない。ただそれくらい見る価値がないのかといえば、意外とそうでもない。興行収入こそ振るいませんでしたが、某アイドル達が自信満々と語る中で黒歴史だとして葬り去られる映画よりかはマシだ。

配役的な意味ではもちろん、脚本としては崩壊後の世界で繰り広げられる人間同士の闘争が事細かに描かれているのが見て取れます。ではここからはスノーピアサーの内容をネタバレ前提で話すと同時に、独自視点での考察を交えながら今作について考えてみよう。

階級社会と列車の構図

スノーピアサーの世界観では、世界は温暖化を防ぐために人口冷却材を使用して、地球の温度を下げようという取り組みが行われた。それが2014年の出来事、思いの外その効力を見せた冷却材によって温暖化の傾向はなくなりつつあったが、その影響によって地球は氷河期へと逆戻りしてしまったという。ここから既にそもそもどうしてという意見が出てくるでしょう。確かに地球温暖化を防ぐことも大事かもしれませんが、実際には地球の温度は年々上昇を繰り返しているのかと思うかもしれませんが、実際には上下しているという記録があります。

つまりだ、そこへ無理やり冷やすためにと強力な冷却材など使用すればバイオメカニズムはバランスを失い、地球環境に異常をもたらしてしまうのは目に見えているはずだ。それを映画の中では道具を使えば簡単に解決できる、なんて無理やりな理論で実行しているあたりが実に愚かしくもあり短絡的といえます。その後に生き残った人々に強いられる暮らしを考えると先達が行った行為を憎みすらしているかも知れません。

その後生き残った人類は地球を1年で巡る列車スノーピアサーを開発・完成させ、その中で人間としての営みをしていこうという話になりましたが、内部ではそれまで以上に酷い格差社会が構築されている。列車前方へ行けば行くほど裕福な環境下で何不自由なく暮らしている富裕層が存在している。一方でその反対側である列車が後方になればなるほど、貧困層で構築された人々がギリギリの中で生活を強いられていた。食べるものも少なく、与えられるのは原材料すら不明の黒いゼラチンだけという限界を絵にしたような状況です。

そんな彼らをまるで諭すかのように列車を支配している女性首相メイソンは、奴隷同然の扱いを強いられている人々の心を追い詰めます。こうした状況を強いられ続けることに誰もが我慢の限界を感じていましたが、奴隷層の中でやがてリーダーとなるカーティスが反乱を起こすことを決意するのです。ただこう思うようになるのも、後からの展開を見れば納得できる部分でもあります。

小さい子供

そしてこの作品ではスノーピアサーというものが何かを示唆する表現がそこかしこで確認できます。一番のは、首相メイソンが奴隷たちへ糾弾した後に一人の幼い子どもを連れて行くと言い出したのだ。貧困層の中で暮らしていた、彼女にしたら汚らしい存在でしかないだろう。けれど構うことなく連れて行かれたので、何かあるのかと疑う部分でもあった。別段気にするべきことではないと思いますが、この物語において子供の存在ほど重要なものはないのです。

展開こそ大人たちを中心として繰り広げれていきますが、最終的には『大人<子供』という図式が完成する。

どうして反乱しなかったのか

カーティスの存在でようやく奴隷たちも反乱しようという心になったものの、それまでの間誰一人として決起しなかったのも不思議な点でもある。少なくても10数年もの間、列車最後尾で僅かながらの食料だけで暮らし、劣悪な環境でまるでスラム同然のような生活を強いられている時点で文句を1つ言わないのだ。兵士の存在もありましたが、それでも反乱が起きなかったこと事態が奇跡といえるだろう。

ただこれも後に明かされる真実から紐解いていくと、ある1つの計画を完遂するために必要な細工だったといえるからだ。

全ての準備が整った

カーティスを中心に貧困層でまともに動ける人々で構成されていく反乱軍の誕生、そして決起するための機会は必ず来るとして息を潜めることにした。やがて前方車両へと向かうために必要な電子錠が見張りの兵士によって解除されたのを見計らって、これまで見たこともない前方車両を目指してカーティス達は前進していきます。途中、技師であるナムグンと遭遇して反乱軍の意図を汲んだ彼も仲間となり、ナムグンとその娘もまた前方車両へと向かっていくのだった。

文明崩壊した後の世界を描いた映画特集