スノーピアサーとは何か

文明崩壊後の世界で生きる人々

映画や漫画、小説などの作品を見ていくとこういう設定がよく使われているなと思う時があります。もはや定番というべきなのかもしれませんが、こういうありきたりな内容こそ意外と受け入れられたりするのだろう。ただあまりにテンプレ過ぎても面白みがないため作品ならではの味を持たせられるかがヒットを生み出す要因となる。そうして今や映画もそうだが、あらゆる作品で用いられている世界観の中でも代表的なのが、『文明崩壊した世界』という世界観設定だろう。人間社会が終わりを告げ、残された人類がどのような世界を生き抜くことになるのか、その中で繰り広げられる群像劇も見どころだ。日本でもいくらかありますが、個人的に真っ先に思い浮かぶのは北斗の拳だ。あれほど荒廃しきった世界で人間が本能のままに赴く作品もないでしょう。最近生み出された作品の中では、崩壊した社会の中で穏やかに学校で暮らす『がっこうぐらし』などが代表的な作品と言えます。前者は典型的な崩壊後の世界を題材にしていますが、後者はこれまでになかった斬新すぎる内容だ。

文明社会が崩壊した、これを設定としているのは何も漫画だけではない。最も代表的なものといえば映画作品が挙げられます。文明が崩壊した中で生存した人が僅かな糧を頼りにして生き死にを掛けた戦いが繰り広げられる。そんなストーリーが面白いと評価する人も多い。

今回はそんな作品の中から筆者個人が紹介する文明社会崩壊後の世界を題材にした、映画作品を紹介していこう。まず最初に『スノーピアサー』という作品からだ。

スノーピアサー 概要

スノーピアサーという映画は今から3年前、韓国とアメリカそしてフランスの3カ国が制作した映画作品となっており、その内容からヒットが期待できるとされていた作品です。人気が出たかというと、非常に微妙なところだ。日本では2014年初頭に登場するも、映画ファンや業界で仕事をしている人でもない限りは、その名を耳にすることもなかったと語る人がいるくらいなので、ヒットしたとはいえないでしょう。内容的に見ても、確かに面白いと思うところもありましたが、総合的な評価では少し物足りないと感じた人が多いと思います。

そんなに面白くなかったのかという疑問に感じる人もいると思うでしょう。文明崩壊がテーマになっている作品としてみれば、イマイチ物足りないという人もいるが、あながち間違っていないかもしれません。いきなり辛口スタートですが、まだまだ序の口だ。

ではここからは簡単に物語のあらすじを紹介していこう。

あらすじ

地球温暖化が進行する中で、世界79カ国による決議によって開発された冷却物質であるCW-7が散布された。確かにその効果は抜群だった、ただ予想外に強すぎる冷却によって世界は瞬く間に雪と氷に包まれた絶対零度の凍土と化してしまい、地球に数千年ぶりの氷河期が到来してしまう。人類は氷によって包まれていく世界を生き抜くため、1年という歳月をかけて完成させた永久機関の開発に成功して僅かな生き残りはその機関が搭載された列車の中で暮らしていくこととなる。列車名はそうしたことから『スノーピアサー』と名付けられ、地球上にめぐらされた線路を駆けまわることで人類という種の存続を図る事に成功した。

それから17年後、スノーピアサーは富裕層と貧困層に分かたれた形で、前へ行けば豊かな暮らしが待っており、後ろへ行けば食べるものすらに困窮する生活が待っている。最下層とも言える最後尾での暮らしは絵に描いたような貧しさがあった。そこで暮らしていていたカーティスは、この暮らしを脱却するために理不尽な支配を強いる富裕層を打倒するため、反乱を起こすことを決意する。仲間たちに声をかけてカーティスの考えに賛同、来るべきその日が来る瞬間まで耐え続けていた。

ある日のこと、監視の兵士を倒したことで彼ら貧困層による富裕層への反乱が始まりを告げる。富裕層の頂点に君臨しているとされる科学者ウィルフォード、並びにスノーピアサーの首相を務めているメイソンを標的にして最前列の車両を目指し続けた。

やがてカーティスは目的地にたどり着き、ウィルフォードと対峙する。しかし彼がそこで聞かされたのは自分が予想だにしなかったスノーピアサーの真実だった。

公開当時の印象として

3カ国が共同で開発し、更に同作品で監督を務めた韓国人監督である『ボン・ジュノ』氏が初めて全編英語での撮影となったとあって、かなりの期待がされていたという。それだけの期待があるというから面白いのだろうといざ見てみると、実際問題として日本を始めとした国々で評価が高かった、とは少し言いづらい記録となってしまった感が否めません。そもそもボン・ジュノという人は何者なのかから話す必要があるかもしれません。

これまで担当してきた映画作品を見ても、元々韓国国内ではそれなりに活躍をしていたのかもしれませんが、それでも日本もそうだが世界的に特別知名度が高かった名監督、というには程遠い方かもしれません。ちなみにこれまで担当してきた作品としては、

上記のようなものが代表作となっています。中でもグエルムに関しては韓国国内で歴代最大の動員記録を塗り替えたほどの大ヒットだったとのこと。その後満を持して日本にも上陸したものの、人気は出るどころか映画としても面白くないと判断する声が多かったとのこと。

こればかりは人によって感じ方も変わってくるので何ともいえませんが、スノーピアサーにしても期待されていたよりかは評価と結果が伴っていないといえる。

記録として

現在発表されている中でも、スノーピアサーという作品の興行収入などの記録はこのようになっている。

  興行収入 2014年ランキング 歴代ランキング
日本 0.8億円 123位 1,292位
世界 80.2億円 31位 1359位

世界の記録としてみればそれなりに良いのではと思うかもしれませんが、この年に公開された一番の話題作といえば『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を始めとした作品が数多く公開されました。ちなみにこのキャプテン・アメリカについては2014年最大の興行収入を記録し、世界規模で『710.8億円』という破格の記録を打ち立てている。これでもまだ歴代では61位という50位以内にも入れないというから信じられない。

こう考えるとスノーピアサーが期待されていた以上に肩すかしだった感が見て取れるのが、少しばかり虚しいところかもしれません。

崩壊後の作品としては

ただ今回のテーマになっている文明崩壊後の作品としてみれば、実際にありそうな話といえば可能性は否定できません。列車で過ごすのかどうかはともかくとしても、内容的な面ではその他の秩序が崩れた世界で繰り広げられる人間同士のいがみ合いについては、こうなってもおかしくないだろうという意見もあります。

文明崩壊した後の世界を描いた映画特集